今更ながら、M1グランプリ、詳細レポ

年末というのに 4テラのファイルサーバをぶっ飛ばしてしまい 大変な事になっていためたかです。 なんで M1の録画を見返して詳細レポ書こう と思っていたんですが、 そんな余裕なんてありませんでした。


って感じで大変だった日々も 笑い飯の最終決戦のネタを思い出すと というか 心の中で、あの「ハッピバースデイ♪」 ってマネをすると 思わず爆笑しそうになる自分が居ました。 ホント、そのお陰で乗り切れたようなもんです。 ありがとう、笑い飯


って事で 今年最後のブログできる日ですが M1の事、改めて書こうと。 やっぱりね、書いてないと忘れちゃうんですよね、 笑金なんかでも 去年のように毎週ちゃんとレポを書いてたら 読み返せば思い出すんで。 だから あんなメモ程度のものじゃなく、 ちゃんと書いておこうと思います。

ネタバレがあるので追記部分に。 あまり、周辺部分については書かずに ネタについて中心に書きます。


まず、笑い飯。 最初のネタですが、 長い長ーい坂道をひたすらに上っていく そんな感じのネタでしたねぇ。 「声をかけあう(ないなぁないなぁ)」 で、互いにどんどんぼけていく、 お馴染みの「ダブルボケ」のスタイルで ゆっくりと始まって どんどんテンポアップして畳みかけていく という まぁ、いつもの笑い飯かなって思ったんですが。 でも 改めて観ると、笑い飯自体の「進化」が 感じられますね。 特別な「ツカミ」はやらずに本題から始まって 「声をかける」って話であえてゆっくり始め 「靴を隠された子」の「ないなぁ」のボケを 繰り返す部分にスムーズに入っていった、 その「あえて低いところから始めた」 って部分、 トップバッターで客席が暖まっていない事を ちゃんと考慮していました。 その上で、ちゃんとスムーズに 「高い所」へ向かう坂道に客を乗せて しかも最後はちゃんと、物凄く高い所まで連れて行く その技量は相当なものだなって。 スピードアップする部分で 「ボケ」の側が、「声をかける」方から 「ないなぁ」って言う方にスムーズにスイッチして 後はどんどん畳みかけるだけ、という。 その辺、非常に良くできてましたし。


改めて言う事でもないですが この「ダブルボケ」のスタイルって、 相当な技量を必要とする訳ですよね。 だって、両方が両方ともできないとイケナイ訳で。 その分、倍の技量を必要とする、という。 M1が始まって、 私は改めて「ツッコミ」の重要性を認識したんですが、 笑い飯は、両方とも面白いボケであると同時に 非常に上手い「ツッコミ」でもあるんですよね。 そして、 どんどん畳みかけてテンポアップしていくって ツッコミの間が良くないといけないし、 両方の息も合ってないとイケナイ。 これを、笑い飯は互いに入れ替わりながらやる訳で。 入れ替わりのタイミングの息も合ってないといけない


という意味で、非常に「技量的なコンビ」なんですよね 笑い飯って。 そして、 こんなにも低ーい所から徐々に上げていった所に 笑い飯の進化を感じました。 だって、これ、自分たちの「上げていく力」に 自信を持ってないとできないですよ。


次はアジアン。 私、知らなかったんですが、 馬場園さんって入院していたんですかぁ。 そりゃぁ、ダメですよね。 だって、馬場園さんのテンポが武器だった訳で。 「ブスいじり」うんぬんは ここに関しては、実はあんまし関係なくて ホント、テンポなんですよね。 改めてみると、 確かに、場面場面で辛そうでしたよね。 緊張してたんかなって思ったんですけど。 変な呼吸が入ったり、息を整えたり、 それが完全にリズムを壊していた。 ツッコミの間自体は、悪くなかったんですが。 あーあって感じ。 もっと面白いんですよ、このコンビは!


南海キャンディーズ ここは、やっぱり見返しても ネタがイマイチだったし、 山ちゃんのツッコミフレーズは良かったけど でも テンポ自体もおかしかった。 「次行こう」って所で、ぶつ切りになっちゃう それも辛かったですねぇ。 これはネタの作り方の問題かもしんないし、 ちゃんと練習自体が出来てなかった って事かもしんない。 ボケの1つ1つは、悪くないとは思うんですよね このネタに関しても。 だから、1つは構成力、 もう1つは、結構、噛んだり変な間が空いたり、が 目立ってましたよね。 「面白い事を言ってるんだけどな」 みたいに思っちゃう場面が何度もありました。 それで 「笑い所」を山ちゃんのツッコミに求めてしまう。 でも このネタ自体、あんまし山ちゃんのツッコミに頼らない そういうネタだっただけに、 どうしても「笑い所」が少なくなってました。 もう一つ、静ちゃんと山ちゃんのテンポも違ってました。 息が合ってなかったね。


こんな所かなぁ。 「こんなにつまんないハズじゃない」って思いが 色々と書いてしまいましたけど。 アジアンの場合は、原因がはっきりしてるので 全然、心配はないんですが 「体、治しな」くらいのもんですが、 南キャンに関しては、 どうしても、原因を探してしまいますね。 でも こうして書いてみると ここも、ちょっとした事で劇的に改善しそう って思えてきました。 要するにネタの構成(ネタの素材は悪くない)」 と 「コンビの息を合わせる」 って事。 でもネタの構成なんて、 何度もやりながら修正していくものでしょうから、 もう、そりゃ、沢山やるしかない って事でしょう。 山ちゃんはこんな事を書いてますから きっと戻してくれるでしょう! 大丈夫ですよ。 だって、このコンビって、まだ3年目なんでしょ。 まだまだこれからでしょう。


チュートリアルは 初めからぶっ飛ばしすぎ! 初めから徳井さんが「行ってしまってた」 ですね。 これに乗れた人は、最初から面白かったでしょうけど 乗れなかった人は「ぽっかーん」だった 客席も、そんな感じでした。 この辺、笑い飯のような工夫があっても 良かったんじゃないかって思います。 ネタの構成自体は、初めから、徳井さんが、 そこまでのテンションでやる必然性は なかったと思う。 もう少し、普通の感じで入って 徐々に「キ○ガイ」入ってくるってやった方が 客席を上手く乗せれたんじゃないかなぁ。 でも 中盤に、徳井さんがバーベキューのネタを 説明に入った部分で、少しテンションが下がった事で 客席が追いついた感じ。 それが幸いして、 後半の部分は、すっかり持って行ってました。 福田さんの演技も良かったですね 徳井さんの気持ち悪さを際だたせてました。 「ホームページ」の下りは、もう必殺でしたね。 改善点はもう、最初に書いた事くらいで チュートリアルの持ち味は示せたんじゃないでしょうか。


ブラックマヨネーズですが。 今、見返すとネタ自体はそれほど特別じゃないですね。 見返すと、チュートリアルの方が面白かったです。 だからこれは 「流れのスムーズさ」ってのが大きかったですね。 初めは、特にボケはしないけど 「変なトコにこだわる吉田さんのキャラ」ってのを 自然な会話の中で印象付けて、 (ボーリングは汚いイメージある、みたいな感じで) 「村上ファンドか」くらいから どんどん、テンションを上げていく。 話の方向も、どんどんおかしくなっていく。 ホントに構成自体が、よーく練れていました。 丁寧でしたね、 「上本町」も、「上本町ゆう大阪の坂の上やぞ」 と、地名の分からない人にも分かるように説明を入れたり 隅々まで目が届いた作りで。 でも 実は、笑い所自体は、そんな多い訳でもなくて それを全てちゃんとヒットさせた事 あとはテンションで、マジックをかけたかなって。 テンポ自体は畳みかけてなかったんですが。 だから 見返した時は、最初に見たほどの面白さはなかったです。 なんで ここについては、「新鮮さ」というのが 完全に味方しましたねー。


品庄は、 事前番組での、品川さんの 「M1というのは2人でやる漫才だから  ツッコミも面白い  庄司の面白い部分を漫才に入れていこう  って思った一年だったですね」 という発言は、こういう意味だったのね というネタでしたね。 庄司さんがキレてやる事、なす事に 品川さんが一々反応してボケていく あの ボケのやる全てのボケにツッコミが全て 律儀に突っ込んでいく というのは良くあるんですけど ツッコミのやる事に対して律儀にボケてくっての そういうのもアリなんだなって。 釈由美子とか、ヒットしなかったのも あったんですけど あ、でも、芝居も上手いよね、2人とも。 見返してもやっぱり、無茶苦茶面白かったです。 構成とか、コンビの息とか、 ホント、完璧だったんじゃないでしょうか。 やりきったと思う。 あとは好みの問題では? 私的には、生の時でもブラマヨと差はナシ 見返した時なら ブラマヨより面白いって思いましたよ。


タイムマシーン3号については 予想通りで、予想以上じゃなかったって事でした。 でも、漫才自体は上手いよね。 構成も良く考えられてるし。 生の時も書いたけど、普通に面白い。 でも M1に対してはやっぱり「頂上決戦」なんで 要求が高くなっていて 「面白すぎてトリップしてしまう」 くらいの事を求めてしまうんですね。 そういうマジックみたいな事は残念ながら、ない。 って意味で、さすがに早すぎたのかなって。 例えば去年の、私的には評価の低かった トータルテンボスでさえも 「さすがに、この場に出てくるだけの事はある」 と思わされたんですが そういうのがなかったです。 ちょっと分析的な事を書くなら ツッコミが平板ですね。それが弱いかな。 「デブネタ一本」は、それほど問題とは思わないです、 だって これだけバラエティー広いデブネタを展開して見せた んですからねー。 それよりはツッコミの幅かな。 なんとか、「マジック」を手に入れて 再びM1に帰ってきて欲しいですね。


麒麟ですが 私的には、ニュース速報は無視していたので ちゃんとオチに入れましたよ。 で、ネタですが、いつもの面白い麒麟でした。 初めの「バッターのハズがピッチャー」って そういうズラしはありがちですが 田村さんの「動作の演技」が上手かったですね。 それで掴んで、 「瞼をまつり縫い」の応援歌で上げていって でも、 少しずつ「わざと」コンビの間の空気を おかしくしておいて 途中、喧嘩。 でも、これは良いアクセントになっていて しかも、 ボケのストーリーのテンポも崩さずに流れて キレイな構成のネタ でも、そう感じさせなかった 「バカ度」を上げていたのが中盤の「喧嘩」だった。 考えれば考えるほど、良くできてます。 発想、構成、とも素晴らしい! ただ 笑い飯ブラマヨ、品庄のような 「トリップする程の盛り上がり」 はなかった訳で。 その辺を、どう評価するか、かなって。 いや、初見の時ははまったんですが、 改めて観ると 「キレイさ」ってのを感じたんで。 まぁ、それは悪いことじゃないんでしょうが。


千鳥ですが トップじゃなく、敗者復活の「踏み台」のある 千鳥を観たかったんですが・・・ あんましココには関係なかったかな(苦笑) ただ 上手くはまってなかったですねー。 やっぱり疲れてたんでしょうか。 「オチが見えてた」って点ですが 後半に畳み込めなかった事で そういう事を思わせちゃったって事じゃないかなぁ。


最終決戦のネタですが。


麒麟 このツカミ、凄すぎでしょう。 麒麟って去年の「いかがでしたか僕らの漫才」 のような 「漫才の構成を逆手に取ったネタ」 をやるんですよね。 ただ・・・ この物凄い「ツカミ」を本ネタに繋げられなかった。 それが残念だったかな。 全然、関係なくなっちゃったもんね。 去年の「いかがでしたか僕らの漫才」は 「アフリカの子供たち」とさらにかぶさたり 最後にまたやったり、とか 単発じゃなかったけど・・・ また、 話が途中で終わっちゃった事で それを雰囲気的に引きずったかも。 ・・・もうちょっと考えて使うべきだったかも。 でも、何度も使える手じゃないしなぁ。 本ネタの方は ここでも「喧嘩」をはさんだんですが ちょっと中途半端だったかも。 ・・・こうして見返すと、そう思うけど 初見の時は持ってかれたんですよね、 最初のツカミでびっくりして。 あと 最後の両方で叫ぶってのも ちゃんと空気ができてたなら 面白く思えると思いました。 なんで、これはオーケーでしょう。 そういう意味で コンビとして安定して力は出せるように なってきた、というのは 言えるんじゃないでしょうか。


で、あの笑い飯のスゴイネタ。 やっぱり見返しても、無茶苦茶すぎ! ホントすごいです、すごいです。 分析的な事を書くなら 生の時に書いた 「ダブルボケというよりダブル変態」 ってので良いんですが。 でも、 その「ダブル変態」まで持っていくのも ホント、良くできてるのね。 基本的にはダブルボケのスタイル でも お互いの「ボケ」を助長する方向で突っ込んで 両方が変態入っていくのを 相乗効果に持っていってるのが1つ。 また 普通の「ダブルボケ」として交互にボケる とは限らず、 もっと普通の漫才っぽい進行にしてて 歌の所で「交互」にボケを挟む、という展開。 そうやって 最後の「ダブル変態ショー」に持っていく ここで 今までボケたポイントをアクセントにする という展開でした。


いやもう、 笑い飯自身は、全てやりきったと思いますよ。 だって 今までのスタイルを利用しながら ある意味で壊し それを上回る新たな「スタイル」を作って しかも、それが無茶苦茶バカっていう(笑) もうねぇ ホント、感動したし、感動したんだけど それ以上に馬鹿馬鹿しくってね(笑) それって 笑いとしては最高のモノ、でしょ! これで勝てなかったなんて・・・って思うよ。


少なくとも私にとっては このネタは、冒頭に書いたように ここ数日の自分の支えとなってくれたし なんで 今まで笑い飯って、好きは好きだったけど 特別に好きって訳じゃなかったんですが このネタで私の中で笑い飯は特別になりました。


ブラックマヨネーズ 同じ構成のネタだったんで 自分的にどうかってのもあったんですが 見返すと こっちの方がネタとして良くできてますね。 というか 実は単純に「同じ構成のネタ」じゃなかった。 絡まれた時のために格闘技を習うって話。 こっちのネタは 吉田さんが変な事にこだわってるトコから だんだん、小杉さんの提案も変になってく、 (熊を飼う、とか) それに対する吉田さんの受け取りも 小杉さんの「変」さをズラして受け取って って、最後に 「まさか熊勧められるとは思わなかった」 と戻す、という・・・ もう普通の「ボケ・ツッコミ」ではなくなって いましたねー。 でも 1つ1つの展開に無理はないんで、 ちゃんと乗っていける、というのは 初めのネタと同じで。 やっぱり、ネタの完成度は相変わらず高くて でも 前回の「構成」を踏まえて進む事で 普通の「ボケ・ツッコミの関係」を崩して 互いに変な事を言い合うようになっても (というか、吉田さんがツッコミって間に  なってましたね) 自然に進んでいった、というね。 これ、1日に2回やるから使えるネタでしたね。 その辺まで計算し尽くされてたってのが 良く分かりました。


って事で、 この最終決戦のレベルって、無茶、高かったですね。 最終決戦一本だったら笑い飯だったんですが 1st ラウンドを含めてのものって評価なら ブラマヨになるかなって感じで。 なんで、 どっちが勝ってたとしても文句はないっすけど・・・


話題になってた、哲夫さんの涙。 私、生では気が付かなかったんですが ビデオでは分かりました。 さすがにねぇ、これだけやって勝てなかった ってのはねぇ・・・ それだけ今回はかけてたんでしょうし。 私自身、今回の笑い飯には ホント、力づけられもしたので・・・ なんかかける言葉なんてないんですが、 とにかく、私は特別面白かったですって それだけは書いておきます。


はてな版の方でリンク頂いたので 私も、お笑い関係では一番に参考にしてるサイトなんで お返しリンクでおりたさんの記事を。 長いです、語り尽くしています。 (はてなからはTBしておこっと。)